スペインとフランスの国境にある小国アンドラ。この国の小さなサッカークラブ“FCアンドラ”は、昨年12月に、バルサDFピケや楽天社長の三木谷氏が創設したコスモス・ホールディングスによって買収された。その効果は絶大で、監督には元バルサのガブリ・ガルシアを招聘、多くの選手も補強し息を吹き返したチームはカタルーニャ1部リーグ優勝を決めた。そうして今季はテルセーラ・ディビシオン(4部)で戦うFCアンドラだが、先日23日には新加入選手を一挙4名発表。なかなか期待を膨らませる陣容だったので紹介しようと思う。
追記(7/29)
FCアンドラは、レウス・デポルティウが残したセグンダB(3部)の1枠を買収し、今季は3部でプレーすることが決定。バルサBと同じグループに入る模様。
ハビ・マルトス
”現役バリバリ“ベルギー古豪のレジェンド
ハビ・マルトスはスペイン・グラナダ県出身、35歳のセンターバックだ。バルサで若き日を過ごした彼は22歳でブルガリアのCSKAソフィアへ。その後もジローナ、マラガ、そしてギリシャのイラクリスを渡り歩いた。そんな彼がキャリアの大半を過ごしたのがベルギーの古豪シャルルロワだ。ベルギーリーグ通算出場は驚異の286試合。昨シーズンもキャプテンとして28試合に出場し、2ゴールもあげた。
そんな彼がキャリアの終着地に選んだのがFCアンドラだった。その豊富な経験をどのように還元してくれるか、要注目である。
イケル・グージョン
カタルーニャ期待の若きアタッカー
イケル・グージョンはレウス・デポルティウで育成された19歳の右ウィンガーだ。彼は17/18シーズン、レウスユースをディビシオン・デ・オノール・フベニール(スペインユース1部)に昇格させる言動力となった。また、昨シーズンはレウスBの選手として、まさにテルセーラの舞台で戦った。
若きカタラン人はこのミニクラブと共に成長できるのか、是非温かく見守っていたいと思う。
ディエゴ・ウエスカ
NEXTチラベルト? パラグアイ期待のGK
パラグアイのGKといえばチラベルトだが、このディエゴ・ウエスカも彼のような偉大な選手になれるかもしれない。ウエスカは名門バレンシアの下部組織で育った18歳のGKだ。昨シーズンはUEFAユースリーグのユベントス戦にも出場した。また、彼はパラグアイU20の一員として、今年初めにあった南米ユース選手権(U20選手が出場)にも参加、4試合の内3試合に先発した。チームとしては決勝ラウンド進出とはならなかったが、3試合で2失点と、個人としては存在感を示した。
期待される18歳GKの新天地は4部だ。ユースとは違い、対戦相手は大抵が年上の大人たちだ。そんな環境で揉まれ、いずれ世界的な選手になることを期待したい。
ミゲル・パランカ
元レアル戦士、流浪の先にアンドラあり
ミゲル・パランカはエスパニョールの下部組織出身。2007年4月9日のセビージャ戦ではトップチームでデビューした。そして08/09シーズンにはレアル・マドリードへ移籍。主にカスティージャでの試合出場が多かったが、12月13日に行われたバルセロナとのエル・クラシコでは、スナイデルとの交代でトップチームデビューも飾った。しかしその後はスペインの2部クラブを転々、2015年にはオーストリアへ移籍し、さらにはポーランド、キプロス、インドを渡り歩いた。そして昨シーズン冬には地元タラゴナへ復帰、しかしインパクトは残せず、チームも降格した。
諸国を渡り歩いた旅人である彼は、新たな活躍の舞台に小国アンドラを選んだ。過去の栄光ばかりが目立つ履歴書に新たな実績を書き残せるのか、彼の活躍に期待したい。
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